海外生活で一番心配になるのはやはり子供のことです。
学校に馴染めるかな?
友達ができるかな?
子供は新しい環境にすぐ適応するといいますが、それは個人の性格にもよります。
息子はわりとシャイな性格で、新しい環境に慣れるまではとても苦労しました。
もし「子供が学校にいきたくない」と言ったら、あなたならどうしますか?
少しでも子供が現地校に慣れるよう、私が工夫したことをシェアしたいと思います。
Contents
海外生活のストレスで子供に現れた異変
もともとプリスクール・キンダーはアメリカの学校に通っていた息子。
今までとは違う環境。
知らない学校。
知らない先生。
友達もいない。
学校に通い始めてから、だんだんと息子の様子が変わっていきます。
朝になるとお腹が痛くなる
朝になると、息子が「お腹が痛い」と言うようになりました。
寒い時期だったので、最初は「お腹を冷やしたのかな?」「胃腸風邪かな?」と病気を疑っていた私。
ですが、学校から帰宅するとケロッとしていて「もう治った」と言う息子。
けれど、やはり朝になると「お腹が痛い」と訴える…。
こんなことが3日以上続き、さすがに私も「おかしいな」と病気以外のことを考えるようになりました。
授業中に何度もトイレにいく
決定的になったのは担任の先生からの呼び出しです。
「授業中に何度も何度もトイレにいく。トイレに行ったまましばらく戻ってこないときもある。」と言われました。
これには私も驚いて息子に理由を聞きました。
先生からは病気の線も考えて、病院にいくことを勧められました。
しかし学校から帰ってくると「もう痛くない」という息子。
ついに登校拒否
いつも学校から帰ってきたら息子に話しを聞くようにしていました。
学校生活を気にかけていたからです。
本当に病気の可能性があるかもしれないと思ったので、「病院で先生にみてもらおうか?」という話しもしましたが、本人は「大丈夫」としか言いません。
息子の異変に気付いてからは「学校で嫌なことない?」
「今日はお友達と喋れた?」
「授業どうだった?」など、もっと具体的なことを聞くようになりました。
途中から「もしかして授業が分からなくてトイレで時間を潰しているのかな?」と気づいた私。
息子に本心を聞いてみることに…。
すると本人から「(英語が)分からないから、そこにいたくない」という言葉が…。
胸が痛みました。
プリスクールとキンダーの3年間は言葉の壁があっても、楽しく通っていました。
周りの先生も優しくて、息子のことを理解してくれている友達がいた。
英語は不得意でも楽しい学校生活が送れていたのだと思います。
急になにもかもが変わり、勉強のレベルが上がったことで息子の戸惑いや不安な気持ちが、大きなストレスになったのでしょう。
それがお腹が痛くなる原因だったのかなと思っています。
自分の気持ちを吐き出した息子はついに「学校へ行きたくない」と言いました。
不登校を容認する!?
息子の気持ちを聞いて、夫との話し合いが始まりました。
夫は平日は出張で不在のことが多いです。
普段、息子の様子をずっと見ているわけではないせいか「そのうち慣れる」というのが夫の意見でした。
これには私なりの強い気持ちがあります。
なぜなら自分が小学生のとき、『家』に居場所がなかったから。
本来であれば『家』が、『家庭』が一番心の安まる場所。
毎日学校にいくのが楽しくて、友達に会えるのが嬉しかった。
学校が終わってもすんなり家に帰るより、外で遊んで時間を潰すような子供でした。
小学生の私にとっては学校が『居場所』だった。
学校があるから、家で嫌なことがあっても耐えられました。
息子の場合はその逆。
もし、息子が本当に学校へ行きたくないのなら、休ませてあげることも大切だと考えました。
そして息子には「行きたくなかったら無理しなくてもいいよ」と伝えました。
ストレスで爪が変形してしまった
結局、「本当に嫌だったら学校をお休みしてもいいよ」と息子に伝えた私たち。
しかし、次の日になると息子は「学校にいく」と言い出しました。
学校まで車で送っていき、始業時間になるまで一緒にいてあげることに。
夫からは「子供たちで遊ぶようになるから、付き添わなくていい」と言われましたが、息子から「行かないで」と言われるのに突き放すことなんてできません。
息子が自分から私の手を離すまで、付き添う日がしばらく続きました。
と思っていた矢先、息子の親指の爪がボコボコになっていることに気がつきました。
横線が入り、波打っているような状態です。
調べてみると、親指の爪の凸凹はストレスや疲れからくることが原因だと判明。
身体にこんな異変がでるほど辛い思いをしているのかと思うといたたまれませんでした。
【親の対応】私が息子の為にとった行動
爪のことが発覚してからも、息子は学校に頑張って通いました。
- とにかく学校に行った息子を褒める
- 息子の要求にはできるだけ応える
- 学校のイベントには力を入れる
- 先生とのコミュニケーションを積極的にとる
とにかく学校に行った息子を褒める
「辛かったら休んでもいい」とは伝えたものの、頑張って学校に通っていた息子。
とにかく学校にいったことを毎日のように褒めました。
と、同時に『英語や授業が分からないことは恥ずかしいことじゃない』ということを教えました。
息子が英語が分からず授業中に辛い思いをしているのは痛いほどわかります。
そんな状態でも毎日学校にいってるだけで素晴らしいということを伝えました。
日本から海外へやってきた子供たち、新しい環境(学校)で本当によく頑張っていると思います。
息子の要求にはできるだけ応える
甘いと言われるかもしれませんが、息子の要求にはできるだけ応えるようにしていました。
”始業時間まで一緒にいてほしい”ということもそうでしたが、突き放さずに自分にできることは可能な限りやってあげたつもりです。
息子の気持ちを優先させてあげて、彼がやりたいと思うことは積極的にやらせてあげました。
学校以外の場所で息抜きができるようにしてあげました。
これはかなり気分転換になったようです。
学校のイベントには力を入れる
これは低学年の子供にはわりと有効だと思っています。
アメリカはとにかく毎月のように何かしらのイベントがあります。
例えば…
- クレイジーソックスデー(変な靴下で学校にいく日)
- クレイジーヘアデー(変な髪型で学校にいく日)
- パジャマデー(パジャマで学校に行く日)
いろんなプチイベントがあるのですが、ここでの服装に力を入れました。
アメリカはみんなとっても褒め上手。
こういう時に力を入れていくと外に出た瞬間、注目を浴びます。
息子も最初は恥ずかしそうでしたが、満更でもなさそう。
このおかげで息子の名前がいろんな人に知れ渡り、学校にいくと学年関係なく名前を呼んでもらえるようになりました。
初めてのイベントでどんな格好をさせたらいいか分からない場合は【ピンタレスト】で検索すると、いろんなアイディアが出てきます。
先生とのコミュニケーションを積極的にとる
先生には息子がかなりナーバスになっていること。そして英語が分からなくて、その場にいるのが嫌でトイレに行っていたことを説明しました。
その上で私たちも家で息子をサポートするから、学校でのサポートをお願いしたいと申し出ました。
また学校でイベントがあったとき、ボランティアを募集している際には積極的に参加して”息子や学校の教育に興味がありますよ”という姿勢を見せました。
親が学校や先生とコミュニケーションをとることで、自分の子供にもいい影響があると思います。
任せきりな親より、学校に協力的な保護者のほうが先生たちの印象も違いますからね。
息子が私から離れた日
息子を気にかける日が4ヶ月ほど続いたでしょうか…
ある朝、ついに息子が私から離れて「友達のところへ行っていい?」と聞いてきました。
それからは朝付き添っても、彼が友達と遊んでいるのを影で見守るようになりました。
友達ができたらきっと大丈夫。
授業中トイレに行くこともなくなり、朝お腹が痛いと言うこともなくなっていきました。
そしてついに…
こんにゃろー!たくさん心配させといてー!!という気持ちもありますが、息子が私を必要とせず一人で学校に行けるようになったことが本当に嬉しかったです。
よく頑張ったね…!!
変形した爪のケア
ガタガタになってしまった爪ですが、毎晩ハンドクリームとアルガンオイルを爪に塗り込むようにしていました。
半年ぐらいでようやく綺麗な状態に。
クリームを塗りながら簡単に手のマッサージをしてあげると喜びました。
新しい学校で一年過ごした今は
やっと新しい学校での一年が終わりました。
最初は本当に頭を抱えて、どうやったら息子が学校に馴染めるんだろうと悩みました。
ですが、親子でなんとか乗り越えることができたなと思っています。
最後は朝早く行って友達と遊ぶのを楽しみにしていたし、学校の成績もよく、表彰される機会もありました。
「前の学校のほうが良かった」と言われた時は、親の都合で本当に申し訳ないと思いましたが、よく頑張ってくれたと思います。
親が子供にできること
いろいろ書きましたが、結局は親が子供にできることなんてごく僅か。
子供の気持ちを汲んであげて、理解してあげることくらいしかできません。
実際に学校へ行き、辛い気持ちと向き合って戦うのは子供自身です。
それがアメリカ人の自己肯定感の高さと自信に繋がっています。
学校にいくことを当たり前とは思わず、毎日頑張って学校にいく子供を褒めてあげてください。
親がいつでも子供の味方であることを言葉にだして伝えてあげてください。
それが親が子供にできる最大の愛情表現だと思っています。
息子が一番大変だったと思いますが、今回このことがあったおかげで私もまた子供と接する姿勢を真剣に考えることができました。
まさに『育児は育自』でしたね。
